こんにちは、らいとです。
小1の頃からコナンを愛読しています。
コナン映画全作振り返ろう企画の19回目は「業火の向日葵」
コナン映画に何度も登場している快盗キッドが今作も大活躍します。
殺人未遂など”らしくない”行動を連発するキッド。それでも最後に大どんでん返しが待っていました。
キッドはやはり期待を裏切りません!
2020年の人気投票で「業火の向日葵」が第5位に選ばれました!
🥇第1位 第4弾
瞳の中の暗殺者
77,991票🥈第2位 第18弾
異次元の狙撃手
60,535票🥉第3位 第5弾
天国へのカウントダウン
55,182票🏅第4位 第10弾
探偵たちの鎮魂歌
52,793票🏅第5位 第19弾
業火の向日葵
35,463票沢山のご投票
ありがとうございました👓— アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv) January 23, 2020
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業火の向日葵 あらすじ

芦屋のひまわり
ニューヨークのオークションで、ゴッホの歴史的名画「ひまわり」が出品された。
ゴッホが描いた「ひまわり」は7枚あったが、今回出品された2番目のひまわりは第二次世界大戦時の『芦屋の空襲』で焼失したと思われていた。
ところが、全く同じ構図のひまわりがフランスのアルルが発見され、専門家により本物だと鑑定されたのだった。
“3億ドルじゃ、わしはショッピングには時間をかけぬ主義でなあ”
鈴木園子の伯父で鈴木財閥の相談役・鈴木次郎吉は”3億ドル”という驚愕の価格で「ひまわり」を落札。
そして、世界中からゴッホが描いた7枚の「ひまわり」を集め、『日本に憧れたひまわり展』を開催すると発表。
さらには各分野のエキスパートである“7人のサムライ”を紹介し、「ひまわり」を守るための完璧な保存と運搬、そしてセキュリティを約束した。
- 宮台なつみ(歴史、鑑定担当学芸員)
- 東幸二(修復、保存管理担当学芸員)
- 圭子アンダーソン(企画担当学芸員)
- 石嶺泰三(運搬、運送担当学芸員)
- 岸久美子(展示、演出担当学芸員)
- チャーリー(ニューヨーク市警)
- 毛利小五郎(探偵)
(7人目の”ラストサムライ”に違和感が…)
ひまわり展の記者会見中、突然キッドカードが撃ち込まれ、報道陣に紛れ込んでいた「怪盗キッド」が姿を現した。騒然とする会場。
警備主任のチャーリーたちが怪盗キッドを追い詰めるが、キッドは閃光弾を放ち窓から逃亡する。
宝石しか狙わないはずのキッドが「ひまわり」を狙っていると知り、パニックになる一行。
“お困りですか?”
ここで工藤新一が登場
もちろんこれはキッドの変装。それにしてもキッドは新一を利用しすぎである。
大空を舞うひまわり

後日、ひまわりを乗せたジェット機が日本へ向かう空で、貨物室が突如爆発!飛行機のドアが破壊され、大空を舞った「ひまわり」をキッドに奪われてしまう。
さらに、爆発と同時に火災が発生して第4エンジンが停止。操縦が効かなくなった機内はパニックに陥り、機体は緊急着陸を余儀なくされる。
制御を失った飛行機は間一髪で空港との衝突を回避。一歩間違えたらとんでもないことになっていた。普段のキッドからは想像もできない凶行である。
そのキッドは、ひまわりの絵をなぜかビルの屋上に放置していった。特に目立った損傷もなく、「ひまわり」は鈴木家の財力が作り上げた大金庫・『鉄狸改』に保管されることになった。
5枚目のひまわり

帰国後、次郎吉と7人の侍たちは「キッド対策」として「ひまわり展」の防犯システムについて会議が行われていた。
“おじさん会議に出なくていいの?”
“今日はビッグレースがあるからな”
そんな中、唯一会議をサボっていたに参加していなかったラストサムライ・毛利小五郎の元にキッドカードが届く。
「今夜、ラ・ベルスーズの左(最初の模写)を頂きに参ります。」
その報告を受けた次郎吉たちは、「ラ・ベルスーズの左(最初の模写)」が『5枚目のひまわり』であると断定。
5枚目のひまわりが展示されている「損保ジャパン日本興亜美術館」へ向かった。
なお、当美術館は実在しており、公式にコナン映画に協力している。

コナンや灰原たち少年探偵団も同美術館へ。
その美術館にいたのはひまわりの画をじっと見つめるおばあさん・ウメノ
“お嬢さんは「ひまわり」より別のことに興味があるようね”
頰を赤らめる灰原
“でもね、見つめているだけではいつかきっと後悔する私のようにね。人は失って初めて大切なものに気づく、あのひまわりのように”
意味深なセリフだが、灰原の切ない片思いは進展なし
怪盗キッドの凶行
コナンたちは、キッドに狙われている『5枚目のひまわり』を避難させるため、美術館から運び出すことになった。
しかし、警備員に変装していたキッドにより、あっさりと「ひまわり」を奪われてしまう。
キッドは美術館館長の胸ポケットにカードを残しており、盗んだ「ひまわりを100億円でお譲りします」とのメッセージが残された。
場所は「東都プラザホテル」が指定されており、次郎吉はキッドに100億円を支払うことを決める。
コナンたちは取引現場をモニターで確認していたが、コナンは“違和感”を感じて部屋から飛び出した。
部屋の「気圧が高くなっている」ことに気づいたコナンとチャーリーが現場に向かうが、取引時刻になると現場の窓に仕掛けられた爆弾が爆発。
部屋に突入したコナンとチャーリーは『5枚目のひまわり』を取り返すが、窓の外にいたキッドは取り逃してしまう。
宝石ではなく絵画を狙い、飛行機を爆破、さらには100億円との交換を要求。キッドらしくない行動が続く。
“なぜやつはこんなにも変わってしまったのか”
“何か理由があるはずだ、もしくは偽者”
“飛行機爆破のテロリストを野放しにはできんからな”
一方、チャーリー警部は日本では禁止されている拳銃を手配する
日本に憧れたひまわり展

キッドから「ひまわり」を取り戻したことを大々的に発表したことにより、世界各地からゴッホの「ひまわり」が続々と日本に集結。
ひまわりの絵を守る難攻不落の要塞・レイクロック美術館で「日本に憧れたひまわり展」が開幕する。
会場には、2枚目の「ひまわり」を見て思わず泣きだすおばあさん(ウメノ)の姿が。
レイクロック美術館のモニター操作をしていた後藤善悟は、ウメノを見て、なぜか“大粒の涙”を流した。
レイクロック美術館のセキュリティは完璧に思えたが、キッドは工藤新一に変装して会場に潜入。コナンは館内でキッドカードを発見する。
キッドの侵入に気づいた次郎吉は、キッドをレイクロック美術館に「閉じ込める」作戦に出る。
キッドカードに書かれていたのは意味深な数式
15=(11人+1人)+2人+1人
最初の(11人+1人)は次郎吉が信頼している12人のこと。
直接12人と書かずに(11人+1人)と書いたのは、裏切り者の存在を意味する。
次郎吉は客とスタッフ全員を退館させることを後藤に命じる。しかし何者かの手によって電気制御室に火災が発生し、美術館全体が停電となる。
7人の侍の中に裏切り者がいないか中森警部が調べていたところ、1人の容疑者が浮上。
その人物とは修復担当の「東幸二」
東幸二の祖父・東淸助は『芦屋の空襲』から「ひまわり」を救い出していた。
東幸二と兄は、その絵を受け取った使用人の言葉を頼りに『芦屋のひまわり』を探し続けていた。
2人はフランス・アルルの古民家の屋根裏部屋で『芦屋のひまわり』を見つけたが、絵画の扱いを巡って口論となり、東幸二はとっさに兄を殺してしまった。
その事件は自殺と処理されていたが、東幸二は自分が殺害したと主張。展覧会が終わってから出頭するつもりだった。
壁を破壊する蘭

しかし、ひまわりを狙った真犯人は別にいた。可燃性の液体でレイクロック美術館に火災を起こす。
すぐに館内に炎が広がったため、次郎吉は「ひまわり」の絵の緊急脱出プログラムを作動させて外へ逃げる。
しかし、2枚目と5枚目のひまわりが残っていることに気づいたキッド(工藤新一に変装)とコナンはひまわりの絵を救出するために残る。
そしてなぜか蘭も戻ってきた(水平線の陰謀からまるで成長していない‥)
ひまわりの絵を保護するには壁を壊すしかない。壁の破壊を蘭に託すコナンとキッド。
“そんなの無理よ!”
“お前ならできる!”
セイヤー
得意の空手で壁を破壊する蘭。向かうところ敵なしの彼女の次なる標的は一体!?
迫り来る炎に襲われる3人だが、キッドは後藤に連絡を取り、貯水タンクを破壊するよう依頼。濁流に飲み込まれた3人は無事火災から逃れるも、蘭は水を飲んで気絶してしまう。
工藤新一の推理ショー

ここで工藤新一の推理ショー(コナンの変声器)がスタート。
真犯人は「宮台なつみ」
その目的は2枚目と5枚目のひまわりを破壊することだった。
私はそれほどゴッホの2枚のひまわりを愛しているの
あの2枚の贋作がゴッホのひまわりと並んで展示されるくらいなら死んだ方がましよ
なかなか常人には理解できない動機。というか贋作なら、自分でそう鑑定すればよかっただろうになんでそうしなかったんだろうか?
あんたは所詮自分に都合の良いように考えることしかできない犯罪者だ
決して学芸員なんかじゃない
犯人の胸に新一の言葉が突き刺さる。
推理ショーを終えたコナンは、ハンググライダーを使えるキッドに気絶した蘭を託す。
1人残されたコナンは、ベルトから出した『花火ボール』を使って「ひまわり」とともに脱出する。
怪盗キッドの目的
「芦屋のひまわりを見せたい人がいる」
それはキッドがじいちゃんと呼んでいる使用人・寺井黄之助からの依頼だった。
『芦屋の空襲』で「ひまわり」を守った東淸助から絵を託されていた寺井黄之助は、ウメノに恋心を抱いており、ウメノに思い出のひまわりを見せてあげたいとキッドに頼んでいた。
宮台なつみから「ひまわりの破壊」を依頼されていたキッドは、ひまわりを守っていたのだった。
“その悲しき恋心を大切にし、お前に依頼してきた男に免じて見逃したことにしてやる”
“あんたのこと勘違いしてたぜ、チャーリー刑事”
“お互い様だ”
キッドの背後で銃を構えていたチャーリー警部だったが、キッドの動機を聞いて銃を下ろす。
業火の向日葵 感想
とにかくキッドをカッコよく描くために作られた作品
キッドが絶対にしない行動をあえて演出することによって「キッドが期待通りのキッドだった」ことを際立たせている。
気になったのは犯人の動機。
鑑定士である犯人は2枚目と5枚目のひまわりを「贋作」と主張しているが、それなら贋作だといえば良い。
言えない圧力でもあったのだろうか?(言いづらいのは分かるが…)
贋作を嫌うのは理解できるが、贋作ならそもそもひまわり展自体が開催されなかったはず。少なくとも飛行機のドアを爆破するよりは贋作といった方が簡単じゃないかな?
キッドを活躍させるために無理やり設定したかのように見えてしまう。
また、フランス・アルルの殺人事件も後付けにように感じてしまう。無理に殺人事件をいれなくてもいいんじゃないかな。
本作ではおばあさんが、灰原の心中に触れるが2人の間に進展はなし。蘭がいるし、大半のコナンファンもそこを期待しているので揺らぎようがないが、それにしても切ない役回りである。
この映画最大の見所はおばあさんとキッドのじいちゃんの関係。
使用人の頼みを聞いて自分に全く関係のないひまわりを必死で守るキッドの器が大きすぎる。裏方に徹するキッドのおじいちゃんが影の主役を演じていた。
いつか阿笠博士メインの映画もやってほしいな。(連載の方で恋愛はやってしまったけど)
修復不可能と思われたキッドの悪評を挽回したのは見事。ここのストーリーは筋が通っていて違和感なかった。
名探偵コナンはキャラを大事にしているところが改めてわかった19作でした。
業火の向日葵 解説・考察

舞台となった美術館や場所のモデル
『業火の向日葵』では、美術館や名画が重要な舞台となります。
劇中に登場する「レイクロック美術館」は架空の施設ですが、実際には徳島県鳴門市にある「大塚国際美術館」がモデルのひとつとされています。
大塚国際美術館は、世界中の名画を陶板画として原寸大で展示するユニークな美術館であり、劇中でも大規模な展示スペースが登場するシーンにその特徴が反映されています。
また、物語の冒頭に描かれるニューヨークのオークション会場や空港など、国際的なロケーションも作品のスケール感を高めています。
こうした舞台設定は、コナン映画ならではの迫力あるアクションシーンと、芸術的なテーマを両立させる要素となっています。
「業火の向日葵」の意味と読み方
タイトル「業火の向日葵(ごうかのひまわり)」には、二重の意味が込められています。
まず「業火」とは、文字通り「燃え盛る大火」を意味します。劇中では絵画や美術館が炎に包まれるシーンがあり、この“火”のイメージが物語全体を貫いています。
同時に「業火」には仏教的なニュアンスもあり、「業(カルマ)によって生じる苦しみの炎」という意味が含まれます。
これは登場人物たちが背負う動機や過去の因縁を暗示していると解釈できます。
「ひまわり」はもちろんゴッホの名画を指しますが、太陽に向かって咲く花の象徴性が、怪盗キッドや依頼者の信念、そして守りたいものへの強い想いと重ねられています。
つまりタイトルは、「炎に試されるひまわり(守るべきもの)をめぐる人間模様」を象徴的に表しているのです。
キッドが狙った「ひまわり」の真実
『業火の向日葵』で最大の見どころは、怪盗キッドが執拗に「ひまわり」を狙う理由です。
通常、キッドは宝石や希少な美術品をターゲットにするものの、それはあくまで「盗んでから真贋を確かめ、真作なら返す」という美学に基づいた行動でした。
しかし本作ではゴッホの「ひまわり」を繰り返し狙う姿が描かれ、観客を混乱させます。
その真相は「ひまわりを守るために盗んでいた」というものでした。依頼者や関係者の中には絵画を利用しようとする者もおり、さらに美術館の展示自体にも火災のリスクが潜んでいました。
キッドは自身が「悪役」を演じることで、ひまわりを破滅から守ろうとしていたのです。
この「盗みは守るため」という構図は、怪盗キッドのダークヒーロー的な側面を際立たせています。
最初に登場したキッドは誰?偽物説の検証
映画冒頭のオークションシーンで登場した怪盗キッドは、実は「偽物」だったのではないかという議論があります。
本物のキッドは基本的にスマートで大胆な立ち回りを見せますが、このシーンのキッドはどこかぎこちなく、行動にも不自然さが残ります。
その後、コナンや観客に「最初に登場したキッドは別人だったのでは?」と感じさせる伏線が散りばめられています。
作中では、チャーリーをはじめとする依頼者側の人物や美術関係者が関与していた可能性が示唆され、本物と偽物のキッドが入れ替わる展開が描かれました。
この“偽物キッド”の存在は、コナン映画の中でも珍しい「二重のトリック」として注目される要素のひとつです。
チャーリーの正体と役割
美術品の専門家として登場するチャーリーは、物語の重要なカギを握る人物です。
彼は「ひまわり」の価値を巡る情報を提供しつつ、展示や輸送の過程にも深く関わっています。しかし次第に、その態度や発言に矛盾が生じ、観客に疑念を抱かせる存在となっていきます。
チャーリーの正体は、犯人側に加担する裏切り者であり、贋作の計画や火災トリックにも関与していました。
彼の役割は単
る専門家ではなく、「守るために動くキッド」と対照的に、欲望のために芸術を利用する人物として描かれており、物語のテーマである「芸術を守る心と私利私欲の対立」を象徴しています。
犯人の動機とトリックの解説
本作の犯人は、「ひまわり」に個人的な因縁を抱えていました。
動機は単なる金銭目的ではなく、過去の出来事や美術に対する執着心が深く絡んでおり、それが「業火=火災」という形で表現されています。
火を利用したトリックによって絵画を焼失させようとする計画は、単なる破壊行為ではなく「自分以外の手に渡らせない」という強烈な独占欲の表れでもありました。
また、美術館の構造や防犯システムを逆手にとった仕掛けも用意され、コナンとキッドがその意図を読み解いていきます。
最終的にトリックは暴かれ、犯人の執念深さが露わになりますが、その背景にある「絵画に取り憑かれた人間の狂気」は、本作のタイトル「業火」とも呼応する重要なモチーフです。
ベルモットや黒の組織との関連説
『業火の向日葵』には黒の組織は直接登場しませんが、一部のファンの間では「ベルモットが裏で関与しているのでは?」という考察が浮上しています。
理由のひとつは、劇中に登場する“謎のおばあさん”の存在。落ち着いた物腰や変装めいた雰囲気が、ベルモットの常套手段に重なって見えたためです。
また、コナン映画では本筋とは関係なく組織の影をちらつかせることがあるため、「黒の組織とゴッホのひまわりが何らかのつながりを持つのでは」という憶測も広がりました。
公式には否定されていますが、ファンの想像をかき立てる演出だったことは間違いありません。
業火の向日葵に関する豆知識

7人のサムライの由来
三船と小五郎!?「ひまわり」を守るために集められたスペシャリスト集団“7人のサムライ”。
名前の由来はもちろん、黒澤明監督による名作「七人の侍」です。
野武士から村を守るために農民が必死になって集めた6人の浪人に、農民出身の男(演じるのは三船敏郎さん!)が加わり7人になるという設定ですが…
今回、次郎吉さんに“7人目”と指名されたのは小五郎さん。
指名した次郎吉さんの本当の狙いは、もちろん・・・
ホテルの絵画「最後の晩餐」
キッドさんがお金の受け渡しに指定したホテルの部屋のベッドの上に飾られている画は「最後の晩餐」です。
作者はレオナルド・ダ・ヴィンチ。描かれているのはイエス・キリストを含めて13人。
中央に描かれているキリストが12人の弟子の一人が自分を裏切ると予言しているシーンだと言われています。
芦屋のひまわりについて
1920年、実業家の山本顧弥太氏が「芦屋のひまわり」を購入。
戦前の日本に持ち込まれ、「白樺美術館」の開館を待っていた「芦屋のひまわり」ですが、関東大震災やその後の不況、戦争の影響で美術館の構想が中断し行き場を失ってしまいます。
銀行などからも保管を断られ、山本氏は芦屋にある自宅で「ひまわり」を保管することに…。
しかし、1945年8月5日、アメリカ軍による大空襲で焼失してしまったと言われています。
「大人の事情」と脚本改変の噂
本作は公開当時から「脚本が急きょ変更されたのでは?」という噂が囁かれています。
もともとのシナリオでは、よりシリアスでトリック重視の展開が用意されていたとされますが、スポンサーや制作側の意向でファミリー層向けにアクションや派手な火災シーンが追加されたのではないかという見方があります。
特に、物語の核心に迫る部分が唐突に解決される印象を受けた観客も多く、このことが「脚本改変」説の根拠となっています。
確証はないものの、シリーズファンの間では“もし元の脚本が映像化されていたら…”という議論が今も続いています。
青山剛昌による原画協力や制作秘話
『業火の向日葵』では、原作者・青山剛昌が直接「原画協力」として関わっており、映画のために描き下ろされたイラストや設定画が存在します。
特にゴッホの「ひまわり」を守るコナンやキッドの姿は、青山らしいタッチで描かれており、ファンにとっては貴重なビジュアル資料となっています。
また、制作当時のインタビューでは「キッドをどう目立たせるか」「美術作品をどう映像化するか」が大きなテーマだったことが語られており、芸術とアクションを両立させる難しさが裏話として伝わっています。
スポンサー・損保ジャパンとの関係
『業火の向日葵』は、損保ジャパン日本興亜(当時)が作品の主要スポンサーを務めています。
損保ジャパンは実際に「ゴッホのひまわり」を所蔵していることで知られ、映画とのコラボレーションは大きな話題を呼びました。
劇中に登場する美術館や展示イベントの描写には、スポンサー企業の意向が反映されているとも言われています。
そのため、「作品テーマとスポンサーの結びつきが強すぎるのでは?」という声も一部にありましたが、逆に実際の名画とのリンクによって作品のリアリティが増したという見方もあります。
聖地巡礼スポット(大塚国際美術館など)
『業火の向日葵』をきっかけに注目を集めた聖地が、徳島県の「大塚国際美術館」です。
ここではゴッホの「ひまわり」を含む世界の名画が陶板画として展示されており、劇中の美術館シーンを思わせる大規模な空間を体験できます。
また、映画の公開後には作品とのコラボ展示や特別企画が行われ、コナンファンの巡礼スポットとして人気を博しました。
さらに、ニューヨークのオークション会場を模したシーンや日本国内の空港なども聖地候補として挙げられ、映画を追体験できるスポット巡りはファンにとって楽しみのひとつとなっています。
業火の向日葵 主題歌・音楽・美術的要素

主題歌とエンディング曲の解説
『名探偵コナン 業火の向日葵』の主題歌は、ポルノグラフィティが担当した「オー!リバル」です。
タイトルの「リバル(Rival)」はライバルを意味し、劇中で対峙するコナンと怪盗キッドの関係を象徴的に表現しています。
楽曲はエネルギッシュでスピード感があり、火災や追跡といった緊張感のあるシーンと相性抜群です。
一方で、エンディングは映像演出により「ひまわり」をめぐる人々の想いが余韻として描かれます。
炎に包まれながらも守られる作品と、それを支えるキャラクターの姿を振り返らせる映像構成となっており、音楽と合わせて“芸術を守る物語”を締めくくります。
楽曲の歌詞やテーマとの関連
「オー!リバル」の歌詞には「譲れない信念」「戦いを通じて見える真実」といったフレーズが登場し、これはまさにコナンとキッドが互いをライバルと認め合いながらも、実は同じ目的 ――“ひまわりを守る”という使命を背負っていたことを暗示しています。
派手なアクションだけでなく、対立の裏に潜む信念の一致を音楽が補強することで、作品に深みを与えています。
劇中に登場するゴッホ「ひまわり」と芸術的モチーフ
本作の最大のモチーフであるフィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」は、世界的に有名な絵画シリーズです。
ゴッホは“ひまわり”を友情や希望の象徴として描きましたが、同時に強烈な孤独や執念も滲ませています。
映画では、この二面性がストーリーの核として扱われています。
「ひまわり」を巡る争奪戦は、単なる美術品の価値を超え、人々の欲望・守りたい信念・芸術に対する執着心を浮き彫りにしました。
特に、炎に包まれるシーンでなお絵画が“光”を放つように描かれる演出は、芸術が時代や人間の業を超えて存在し続ける象徴といえます。
ピアノや音楽演出の象徴性
『業火の向日葵』では、クラシック音楽やピアノの旋律が印象的に用いられています。
これは単なるBGMではなく、「ひまわり」を巡る美術的テーマと調和し、作品全体を芸術映画的に仕上げる効果を持っています。
特に静かなシーンで流れるピアノは、燃え上がる炎や登場人物の激情と対比的に配置され、観客に余韻や哀愁を感じさせます。
また、ピアノ旋律が“ひまわり”を守ろうとする登場人物の心情に寄り添う場面もあり、音楽が言葉以上に「守る理由」や「芸術の価値」を語りかけているのです。
こうした音楽演出は、アクション色の強いコナン映画の中でも特に印象的であり、視覚と聴覚の両方から作品テーマを感じ取れる工夫として高く評価されています。
業火の向日葵のゲスト声優

ゲストキャラクターと声優(宮台なつみ・チャーリーなど)
本作にはオリジナルのゲストキャラクターも多数登場し、物語を彩ります。
中でも重要なのが、宮台なつみ(声:榮倉奈々)。彼女は芸術への強い情熱を持ち、美術館計画に携わる人物として描かれます。
もう一人のキーパーソンであるチャーリー(声:石井一孝)は美術品の専門家でありながら、物語の裏側に潜む陰謀に深く関与しています。
これらゲストキャラは「ひまわり」を巡るストーリーに厚みを加えると同時に、事件のトリックや動機解明のカギを握る存在でもありました。
榮倉奈々のゲスト出演と評価
本作で最も話題を呼んだのは、女優・榮倉奈々のゲスト声優出演です。
宮台なつみ役を務めた榮倉は、キャラクターの知性や強さを声で表現しようと試みましたが、一部の観客からは「棒読みではないか」「演技が浮いている」といった批判の声も上がりました。
一方で「落ち着いた声質がキャラクターに合っていた」という肯定的な意見もあり、賛否が分かれる結果となりました。
映画公開時にはネット上で「ゲスト声優問題」として取り上げられるなど、作品を語るうえで欠かせないトピックとなっています。
犯人役の声優・演技についての賛否
犯人役を演じた声優に対しても評価は分かれました。
動機や狂気を声で表現する難しさもあり、一部では「迫力に欠ける」「感情の乗せ方が弱い」と感じた人もいたようです。
特にクライマックスでの演技は作品の緊張感を左右するため、観客の期待値が高かったことも賛否を呼ぶ要因となりました。
ゲスト声優「下手」と言われた理由は?
『業火の向日葵』が公開された当時、SNSや掲示板では「ゲスト声優が下手」という意見が目立ちました。
理由のひとつは、プロの声優陣と比べた際の“演技の自然さ”の差が浮き彫りになった点です。
長年シリーズに出演している声優たちは、キャラクターの感情表現やテンポを熟知していますが、俳優出身のゲスト声優はアニメ特有の抑揚や間合いに慣れていないことが多く、違和感を覚える観客も少なくありません。
また、本作は美術や芸術といった静謐なテーマに加え、大規模な火災シーンなど感情の起伏が大きい展開があり、声の演技に求められる幅が広かったことも影響しました。
結果として「違和感が強かった」という意見が広まったのです。
もっとも、ゲスト声優を起用すること自体は作品の宣伝効果や話題性を高める意味があり、賛否はあるものの『業火の向日葵』の特徴のひとつとなっています。
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