お金2.0の要約と感想|「資本主義」から「価値主義へ」 | みぎいろ!

お金2.0の要約と感想|「資本主義」から「価値主義へ」

この本を書いた目的は、「お金や経済とは何なのか?」、その正体を多くの方に理解して欲しい、そして理解した上で使いこなし、目の前のお金の問題を解決して欲しいということです。

最近読んだ中で、他人に勧めたいNo.1の本が「お金2.0」です。

クラウドファンディングやビットコインなど新しい技術や概念が登場する現代に起きていることを分かりやすく言語化しています。

ただ、ちょっと長くて難しい箇所もあるので、途中で離脱してしまう方もいるかもしれません。

そこで「お金2.0」で重要だと感じた箇所をかんたんに要約してみました。

お金2.0を購入しようか迷っている方、要点だけ押さえて読み返したい方の参考になれば幸いです。

お金2.0の概要

著者である佐藤航陽さんは、この本を次のようにまとめています。

本書では現在の経済やお金の起源、そのメカニズムを紹介して、それがテクノロジーによってどのように変化していっているのかを扱い、最後に資本主義の欠点を補った考え方として、価値を軸として回る社会「価値主義」という枠組みを提案しています。

これが次のような章立てで構成されています。

  • 1章:現在の経済やお金の起源、そのメカニズム
  • 2章:テクノロジーによってどのように変化しているか
  • 3-5章:価値を軸として回る社会「価値主義」

この本の重要なキーワードが「価値主義」です。

1章、2章も面白い内容ですが、この本で1番大切なのは「3章」です。

長文を読むのが苦痛な方は、ぜひ3章だけでも読んでみてください。

この記事でも、3章と4章に限定して要約します。

スポンサーリンク

3章 価値主義とは何か?

限界を露呈し始めた資本主義

資本主義と金融業界では「お金を増やす」という手段の部分が強調されすぎるようになり、多くの人がそこしか見ないようになっていきました。

結果的に、実体経済や人々の生活と全く関係ないところでお金だけが動くようになっていきました。

資本主義の肥大化と金余り現象

現代は2つの性質の異なる経済が混ざりあっています。

  1. 消費経済(実体経済):労働をして給与をもらい、コンビニに行ってお金を払う
  2. 資産経済(金融経済):お金からお金を生み出す経済

ただ、世の中に流通しているお金の流れの9割近くは資産経済のほうで生まれています。

そして、今はこの消費経済に対する資産経済の割合はどんどん大きくなっていて、経済はより不安定な状態になっていっています。

資金調達が容易な環境にあるため、相対的にお金の価値そのものが下がり続けています。

逆に、増やすことが難しい、信頼や時間や個性のようなお金では買えないものの価値が、相対的に上がってきているとも言えます。

お金にはなりにくい「価値」の存在

既存の資本主義に多くの人が感じていたことは、「お金にはならないけど価値のあるものって存在するよね?」という点だと思います。

お金にならないものが無価値であるような扱いを受けてしまうということです。

今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということです。

価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっています。

ここまでのまとめ
資本主義(お金が価値を決める世界)が限界にきている

資本主義から「価値主義へ」

今後は、可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていきます(価値主義)

良い大学を出た超一流企業にも就職できるエリートがその道を選ばずにNPOや社会起業家などに専念するのは、資本主義的には非合理的な選択に見えますが、価値主義的には合理的な意思決定とみなすことができます。

あらゆる「価値」を最大化しておけば、その価値をいつでもお金に変換することができますし、お金以外のものと交換することもできるようになります。

お金は価値を資本主義経済の中で使える形に変換したものに過ぎず、価値を媒介する1つの選択肢に過ぎません。

価値の3分類

世の中で使われている価値という言葉は3つに分類されます。

  1. 有用性としての価値:役に立つもの
  2. 内面的な価値:愛情、共感、興奮、好意、信頼など個人の内面にポジティブな効果を及ぼすもの
  3. 社会的な価値:社会全体の持続性を高めるような活動

資本主義の問題点は「1. 有用性」のみを価値として認識し、その他の2つの価値を無視してきたことにあります。

その理由は単純で「精神的なものは目に見えないから」

現代はSNSのフォロワー数などで注目・興味・関心などの内面的な価値が数値化できるようになりました。

これにより「内面的な価値を軸とした独自の経済」を作ることができます。

ここまでのまとめ
これからはお金以外のものが軸となる世界がやってくる

評価経済の落とし穴

多くの人が評価経済や信用経済に対して違和感を抱く理由

  1. 今話題になっている大半の仕組みが「評価」や「信用」ではなく、「注目」や「関心」に過ぎないから
  2. 注目や関心などの特定の内面的な価値のために、共感や好意などの他の内面的な価値や、治安や倫理などの社会的な価値が犠牲になることがあるから

評価経済や信用経済も、注目や関心を集めるために、共感や好意を犠牲にしたり、倫理感や治安を犠牲にするような行為が目立つようになると、資本主義と同様に世の中がブレーキをかけるようになります。

営利と非営利の境界線が消える

以前はビジネスとしては全く魅力的には映らなかった研究開発的事業や社会貢献的事業も、それに価値を感じる支持者を集め、利益の出るビジネスとして成立しつつあります。

数十年後には「営利」と「非営利」という区別はなくなっており、活動は全て「価値」という視点から捉えられるようになっているでしょう。

ベーシックインカム普及後の、「お金」

ベーシックインカムとは、生活するための必要最低限の生活コストを国民全員に支給する仕組みです。日本や欧州の生活保護のような社会保障を全国民に適用したものです。

現在はお金には人を動かす力がありますが、生活するためにお金を稼ぐ必要のなくなった人からすれば、お金はもっとあったら便利なものであり、なければならないものではなくなっているはずです。

ベーシックインカム導入後の人間は、今私たちが知っている人間とは全く別の生き方をするようになっているでしょう

「経済」は選べばいい

本当に言いたいのは「複数の経済システムは並存し得る」という点

今の経済で優位な立場にある人にとっては新しい仕組みなど必要ありません。

複数の経済圏が並行して存在すれば、既存のメインストリームの経済から外れてしまった人に対しても膨大な選択肢を与えることになり、選択肢があることによって多くの人がリスクを取って積極的に活動ができるようになります。

ここまでのまとめ
お金を稼ぐのか、別の価値を稼ぐのか選べる時代になる

「価値主義」とは経済の民主化である

価値主義とは、まとめると2つの大きな変化が混ざった1つの現象と考えることができます。

1つ目は「お金や経済の民主化」です。

これまで300年近く国家の専売特許とされてきた通貨の発行や経済圏の形成が、新たなテクノロジーの誕生によって誰でも簡単に低コストで実現できるようになりつつあります。

2つ目は「資本にならない価値で回る経済の実現」です。

価値主義では新たなテクノロジーの誕生によって、内面的な価値や社会的な価値をも可視化して、それらも経済として成り立たせることで、資本主義の欠点を補完することができるようになっています。

4章「お金」から解放される生き方

人生の意義を持つことが「価値」になった世代

  • 戦後~1970年代:欠けているものを満たす、マイナスのところからゼロに持っていくという欲望
  • 1980年代~:比較的裕福になった後の世代なので、お金や出世みたいなものにモチベーションを感じにくい

▼ザッカーバーグのスピーチ

今日私が話したいのは、「自分の人生の目標(意義)を見つけるだけでは不十分だ」ということです。

僕らの世代にとっての課題は、「〝誰もが〟人生の中で目的(意義)を持てる世界を創り出すこと」なのです。(中略)この社会を前に進めること、それが僕ら世代の課題です。

新しい仕事を作るだけじゃなくて、新しい「目的」を創り出さなくちゃいけない。

ここで語られていることは、つまり衣食住などの必要最低限のものが揃った生活ができるようになり、物質的には満たされてしまっていて、これ以上どこを目指したら良いのかがわからない。なので人生における目的・方向性・意義を多くの人が失ってしまった。

だから多くの人が人生の意義や目的を持てるような世界を作ろう、ということになります。

人生の意義や目的とは欠落・欲求不満から生まれるものですが、あらゆるものが満たされた世界ではこの人生の意義や目的こそが逆に「価値」になりつつあります。

これから誰もが自分の人生の意義や目標を持てることは当然として、それを他人に与えられる存在そのものの価値がどんどん上がっていくことになります。

若者よ、内面的な「価値」に着目せよ

人生の意義の話も踏まえて、価値主義の世界ではどんな働き方や生き方がスタンダードになっていくでしょうか。

答えは非常にシンプルで「好きなことに熱中している人ほどうまく行きやすい」世の中に変わっていきます。

今の経済の中で20代や30代が競争していくのは相当「分が悪い」

一方で、資本ではなく価値に着目するのであればチャンスは無数にあります。

資本主義の枠組みの中では認識できない価値というものがたくさん存在するので、そこに焦点を絞れば良いのです。

「儲かること」から「情熱を傾けられること」へ

内面的な価値が経済を動かすようになると、そこでの成功ルールはこれまでとは全く違うものになり得ます。

金銭的なリターンを第一に考えるほど儲からなくなり、何かに熱中している人ほど結果的に利益を得られるようになります。

多くのミレニアル世代が人生の意義のようなものを探している世界では、内面的な欲望を満たす価値を提供できる人が成功しやすくなります。

この世界で活躍するためには、他人に伝えられるほどの熱量を持って取り組めることを探すことが、実は最も近道と言えます。

その人でなければいけない、この人だからこそできる、といった独自性がそのまま価値に繋がりやすい

「お金」のためではなく「価値」を上げるために働く

この先は「自分の価値を高めておけば何とでもなる」世界が実現する。

個人の価値さえ高めておけば、それをお金に変換することもできますし、お金以外の他の価値にも変換することができます。

ここで言う価値とは、

  1. スキル・経験のような実用性としての価値
  2. 共感や好意のような内面的な価値
  3. 信頼・人脈のような繫がりとしての社会的な価値

のいずれも含みます。

従来はこれらは企業の経営戦略において、事業戦略、CSR、ブランディングのような領域でやっていくことですが、それが個人レベルでも必須になってきています。

▼自分の価値を最大化するためには

  • 働く企業を選ぶ際も、仮にその会社を退社した時に、自分の人材としての価値が高まっているのかどうかを基準に考える
  • 日々の業務の中でも本当に今の活動が自分の価値の上昇に繋がっているかを常に自問自答する
ここまでのまとめ
お金を稼ぐのではなく、自分の価値を高めよう
スポンサーリンク

お金2.0 感想

お金2.0」に書いてあることを、全く理解できない方も多いと思います。

私はサラリーマンとして働いていますが、ブログで資産を作っていますし、フリーランスとして働いている方も周りに多いのですんなりと頭に入ってきました。

遅かれ早かれ、資本主義から価値主義へとパラダイムシフトしていくことは確実だと思います。

いま、日本の多くの会社は新事業を作り出すことに苦しんでいます。それは、マイナスからゼロに持っていくことより、プラスをさらにプラスにするのが難しいからだと考えています。

例えば、テレビを持っていない人にテレビを買わせることはできても、テレビを持っている人に4Kテレビを買わせるのは強い動機付けがないと困難です。

これを突き詰めていくと、一部のインフラや公共機関を除いて、働かなくなる人が大量に出てくるのではないでしょうか。

銀行のリストラが始まるなど、すでにその兆候は現れています。

働く必要がなくなる未来に向けて「最低限の収入を得るための方法」と「情熱を傾けられるもの」が今後重要になってくると思います。

\こちらの本もどうぞ/
pocket line hatebu image gallery audio video category tag chat quote googleplus facebook instagram twitter rss search envelope heart star user close search-plus home clock update edit share-square chevron-left chevron-right leaf exclamation-triangle calendar comment thumb-tack link navicon aside angle-double-up angle-double-down angle-up angle-down star-half status